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ギブソンが倒産の危機

2018/02/28 Wed 11:12

最近ギターメーカーのギブソンが倒産しそうだというニュースがネットなどで報じられましたね。

「ギブソン」が経営危機、老舗も苦しむ深刻なギター不振

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昔からある老舗のギターメーカーが倒産の危機にあるというのは残念な話ですよねぇ。とは言っても、いままでもギブソンは経営の危機があったはずで、その都度身売りされていままで生き延びてきたはずですので、別に今回だけの話ではないと思うんですよね。

調べてみますと、奇しくも創業者のオービル・ギブソン氏が亡くなってから今年がちょうど100年目なんですね。創業者の死から100年経ってブランドは再び死の危機にさらされているわけです。

まあ、ただ今回の倒産危機のニュースについてはあまり驚かないですね。以前このブログにも書いたことがありますが、最近のギブソン(もちろんギブソンだけでなくフェンダーも)の商売はあまり興味をそそられるものではなかったですからね。私が一番気に入らなかったのは、とにかくオールドギターの「完全コピー商品」をギブソン自らが作り出したことですね、カスタムショップだとかなんとか言って。しかも100万円とかのとんでもない値段をつけて。

はっきり言って、それは商売としておかしいんですよ。骨董品を売る商売ならそれでもいいかもしれませんけど、ギブソンは楽器メーカーでしょ?ギターメーカーでしょ?骨董商じゃないじゃないですか。

1950年代や60年代の初めに作られたギターなどを「オールド」と称して、それに稀少品としての価値を見いだして高い値段がつけられて取引されることはいいと思いますよ。でも、その「完全コピー」すなわち「パチモノ」をギブソンが作って売っちゃいけませんよ。

だっていくらルックスをオールドに仕上げたって、しょせん中身は新品ですやんか。やってることは中国で骨董品のニセモノを作るために土の中に埋めたりしているのと一緒ですよ。ギブソンのやってることと中国のニセモノづくり業者のやってることのなにが違うというのでしょう?

そんなことをし始めると、ギブソンというブランドそのものの信頼が失われていってしまうんですよ。もちろんフェンダーにも同じことが言えるのですが。

私自身の体験では、いまから20年?あるいはそれ以上前くらいに初めて楽器屋でフェンダーのオールドギターのレリックものを売っているのを見たとき、確かにオールドそっくりによくできているとは思ったものの、「よくできてたってしょせんパチモンじゃん。新しいギターをシコシコやすり掛けたり叩いたりして古くさそうに見せるように細工しただけのものじゃないか。フェンダーがこんなことし始めるのなら、オールドギターだってもう素人には見分けなんかつきゃしない。こんなオールドのニセモノを作って何十万円の値段をつけて売ってるフェンダーなんてもう信用できない」と思いましたからね。

ギブソンだって一緒。そんな安易なニセモノ商売をやって、ユーザーに高い値段で売りつけようとしていることがいつまでも続くわけないです。最初はホンモノのオールドが買えない人たちが「ホンモノのオールドは買えないけど、ギブソン自らが作ったオールドのレリックものなら『ホンモノのギブソン』じゃないか!トーカイやグレコのコピーものとは全然違う!」と思って飛びついたと思うのですが、世の中みんながみんなオールド好きだと思うのは間違いだし、オールド好きでもみんながレリックものに飛びつくと思ったら大間違い。

オールドにそれほど興味がない人やオールドが好きでもレリックものは毛嫌いしている私のようなタイプの人たちは、きっとギブソンやフェンダーのやってることに嫌悪感を抱いたと思うんですよね。「そんなオールドのニセモノづくりを一生懸命やってる暇があるのなら、普通の『新品』のギターをきっちり作ってくれよ」と。

そして今回ギブソンの倒産話です。そりゃ当然ですよ。誰がオーバー50万円のオールドのニセモノばかり買うと思っているのでしょうか?そんなもの作るくらいなら、きちんとした作りの良いギターを20万円~30万円くらいで作って欲しいところです。私はギブソンユーザーではないので詳しく知りませんが、聞くところによればカスタムショップ以外の通常のラインのギブソンギターは作りがメチャクチャらしいですね。

それじゃ売れなくなりますよね。品質が悪いのに値段はそれなりに高いわけですからね。やっぱり商売って信用・信頼ですよ。いくら100年かけて築き上げてきたブランドであっても、信用を失うような商売をしていればやがてブランドに対する信用そのものもなくなっていってしまいますよ。いまのギブソンはそういう状態なんじゃないでしょうか。

一方のフェンダーですが、正直言って私の中ではフェンダーをもはや「ブランド品」だと思うところはありません。ストラトやテレキャススタイルのギターを作っているメーカーのひとつ、という位置づけに過ぎないですね。だってフェンダーのギターそのものを使おうと思う気持ちも全くないですし、フェンダーのギターに使われているパーツを使おうという気もないですからね。

フェンダーのギターが好きな人ならフェンダーを使えばいいし、そうでない人は他のメーカーのストラトスタイルギターを使えばいいんじゃないの?あるいは自分でパーツ集めて作りゃいいんじゃないの?というイメージです。

でもギブソンは素人がパーツを集めて作れるようなものじゃありません。それだけにギブソンに対する信頼は強かったように思うのですが、その信頼を失うような商売を長く続けてきた結果が今回の報道じゃないかと思うんです。でもギブソンが倒産して、助ける会社がどこもなくなって、ギブソンというブランドがなくなってしまっても個人的には別にたいした感慨はないです。だって私自身がギブソンのギターを使っていないから。

箱物のギターならアイバニーズとかだってありますしね。だって私が好きなジャズ・フュージョンギタリストたちはみんなアイバニーズの箱物を使ってますからね。ギブソンに対するこだわりはそこにもないです。他にも職人気質で作っている箱物メーカーは世界にたくさんあるでしょうしね。

結局品質とお客を大切にしてこなかったギブソンはこうなっちゃったわけです。お客を感動させる商売は続けていくことができますが、お客を怒らせたり、ガッカリさせたり、呆れさせたりする商売をしているとどんな商売でもやがて潰れます。ギブソンは当然の流れに従って潰れていっているように見えます・・。

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