先日メインのストラトのフロントにダンカンのSH-2 JAZZモデルをつけて以降、とてもフロントのサウンドが気に入っているのですが、そうなると逆にリアの59のサウンドが妙にシャキシャキサウンドに聞こえてくるようになってしまいました(笑)。

もちろん59のサウンドはとても好きですし、特に歪ませたときにはとにかくいい感じに歪んでくれるので個人的にはほぼ満点をつけているピックアップです。でもフロントのJAZZのサウンドに合わせてリアももうちょっとミッドやローが強いピックアップもいいんじゃないかという気がしてきました。

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ということで白羽の矢が立ったのが70年代のギブソンT-TOPですね。久しぶりにこいつを使ってみようかと思ったわけです。ただ、私がいま持っているT-TOPはベースプレートの足を改造してしまったせいでカバーがつけられないので、新たにひとつ購入するつもりです。

70年代のT-TOPなんてたいして人気もないし、PAF信者の方たちからはクソ扱いされているようなピックアップですから値段もお安いです(笑)。でも、「ローパワーでバランスのよいピックアップがほしいけど、PAFクローンじゃあハイ寄りすぎてクリーンで使うときにちょっと困る」と感じておられる方にはいい感じだと個人的には思うんですけどねぇ。

まあ、私自身はもともとヴィンテージレスポールのシャキシャキサウンドはそれほど好きだったわけじゃないし、それより70年代~80年代のしっかりしたギタートーンのほうが単純に好きでしたからね。以前にも書きましたように、ビンテージサウンドに対する憧れ心みたいなものがアンティクイティからJAZZに変えてからガラガラと崩れて消えて行ってしまったので(笑)、正直オールドPAFに似たサウンドが出るかどうか、なんてたいして興味なくなってしまったのです。

再びそもそもの話をすれば、私がPAFに興味を持っている理由は、はっきり言ってエディ・ヴァン・ヘイレンがデビュー当時に使っていたギターに改造PAFが取り付けられていて、彼が「PAFが最高のピックアップ!」と言っていたからなんですよね。本当にそれだけなんです。もちろん世間的に、昔から「PAF最高!」の空気がずーっとありましたので、それもあってPAFに対する憧れや興味のようなものはずーっとありました。

でも実際にPAFを弾いてその音が気に入ったわけでもないし、本当にJAZZを使ってから、ふと「PAFの音って、本当のところどうなんだろう?別にどーでもいいんじゃない?」と猛烈に思うようになってきて、別にビンテージサウンドがどうの、とかPAFに似ているからいい、とかPAF風のシャキシャキサウンドが一番、なんて思う気持ちがすーっと消えて行ってしまったんですよね(笑)。

そうなると、「じゃあ、どんな音のピックアップを使ってみたいの?どんな音がするピックアップが好みなの?」と自分で考えたときに、結局JAZZみたいなバランスで鳴ってくれるリアピックアップ、ということになり、それは前に使っていたT-TOPがいいんじゃないの?と言うことになったのです。

ただ、以前に59とT-TOPを比べたときにはT-TOPには59のようなバイト感はなかったような記憶があります。そこは違いとして憶えておく必要があるかも知れませんけれども、それでも実際に弾いてみれば気にするほどのバイト感の違いはないかも知れないように思います。

それよりも、別にオールドPAFだけが世の中で最高なピックアップであるはずがないわけだし、ギターにしたってオールドレスポールだけが最高であるはずもないわけですから、そんなくだらない「評判」だけに振り回されることなく、自分の好みに合わせてピックアップをチョイスしていけばいいんじゃないかと思いますね。

ところで、「T-TOPだってPAFじゃねぇか!」というツッコミはなしですよ(笑)。言っておきますけど、T-TOPとPAFは全くの別もの、といってよいほど音は違いますからね。T-TOPは60年代から70年代にギブソンが作ったピックアップだった、というだけのことです。世の中では音の違いをご存じない方は、クソも味噌もひっくるめて70年代のT-TOPまでPAFだなんて言いますけど、音が全然違うんですからT-TOPがPAFに入るわけないです(笑)。もしT-TOPを「PAFのサウンド」と呼ぶのなら、その人の耳は完全に腐ってます(笑)。

本当は手持ちのT-TOPをメインのリアにつけたいんですけど、先ほど書きましたようにカバーがつけられないし、それにこのT-TOPはもう一つのストラトのフロントにしっかりと鎮座しています。なのでもう一つT-TOPを買ってメインのリアに取り付けようということになったわけです。70年代のT-TOPなら、それほど製品としてのばらつきはないはずなのでどれを買っても音は変わらないでしょうしね。

それにしてもピックアップって面白いですね。だってT-TOPのほうがダンカンの59のブリッジ用より抵抗値は低いのにT-TOPのほうがヘビーで太いサウンドがしますからね。細いワイヤーを1万回もボビンに巻き付けていると抵抗値だけではないものが影響して音が変わるんでしょうね。ワイヤーの質とか巻き方とか。

それはともかくオールドPAFに飽き飽きしてきた他の理由もあるんですよね。やっぱり究極は一度くらい本当のオールドPAFを使ってみたいんですよ、やっぱり。でももういまの時代となってはホンモノのPAFなんてまず入手不可能なんです。例え何十万円払って楽器屋で買ったとしても、それがホンモノである保証なんてどこにもないし、誰にもわからないんです。

オールドPAFに関しては、ホンモノと全く同じスペックで作られて見分けすらつかないニセモノが現実にいろんなメーカーから販売されていますからね。最近では60年代のT-TOPものまでニセモノは作られて売られています。それをエイジド加工されてネットで倍以上の値段をつけて売られたらまず誰にもわからないと思います。

実は今し方ネットを見ていましたら、60年代のステッカードと呼ばれるT-TOPを楽器屋さんで買って取り付けておられる方のページを見つけました。ご本人は60年代から70年代前半にかけてのT-TOPと思って購入されたようですが(しかも格安で(笑))、申し訳ないです、写真見たら明らかに最近作られたパチモノです・・(笑)。そんな昔のピックアップなら、ボビンがそんなにまっすぐキレイなわけないです・・。

しかも裏のステッカーもまるでお約束であるかのごとくほぼ全て剥がされています。これ、本当にアメリカあたりで1万円くらいで売られているパチモノT-TOPそのものです・・(笑)みごとにやられましたね・・。

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本気でオールドPAF系のピックアップを買おうかなぁ、なんて思っておられるような方は、少なくともこのメーカーの存在くらいは知っておいてくださいね。アメリカのメーカーBrandonwoundです。直接も買えるのでしょうけど、e-bayでここのピックアップはいくらでも売りに出されています。そして日本でも「PAFの完全クローン」みたいな触れ込みでここの製品を売っていると思われる会社も見受けられます。もちろんアメリカで売っている値段の倍くらいで売っていますが(笑)。

ここの製品は本当にオールドPAF系に関して外見はそのまんま作ってます。たぶんホンモノを見たことがなければ絶対に見分けはつかないはずです。これをエイジド加工して売りに出されたら、まずわからないでしょうね。でも、さすがにボビンのエイジド加工(つまり収縮)までできるのかどうか私は知らないし、メーカーでそこまでやって販売しているところは見たことないですので、唯一の見分けるポイントはボビンの収縮くらいです。でもそれもドライヤーにでも当てればボビンが変形くらいはするかも知れませんね。

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で、件のT-TOPを買って取り付けたと喜んでおられた方のブログの写真を見ていますと、60年代製のピックアップにもかかわらず、ボビンは新品のようにまっすぐ・・。しかも現物はこのBrandonwoundのページの写真に出ているピックアップそのもので、ベースプレートをちょっとエイジド加工して、ステッカーを剥がしています。お気の毒ですが、見事にニセモノです・・(笑)。

とはいえ、アメリカ本国で1万円くらいの値段はつけて売っているピックアップですから、良心的な業者ならそれなりのヴィンテージサウンドがするピックアップを作ってくれているかも知れません。なのでご本人がサウンドに満足しておられるのなら他人がどうこう言う必要はありませんが、もし「さすがホンモノのビンテージのT-TOPはサウンドが違う!」と喜ばれているのだとすれば、かなり残念な感じ・・。

ご本人は安く買えた、と喜んでおられますが、でも思うに3万円~4万円くらいで買ったのではないでしょうか?ホンモノならきっと5万円かもうちょっとの値段で売買されていると思いますが、この頃のT-TOPで怖いのは、ボビンは70年代の古いホンモノを使ってベースプレートだけBrandonwoundで作ったものをエイジド加工してものにして売られていることなんですよね。70年代中期以降のT-TOPより60年代のステッカードT-TOPのほうが高く売れるので、もしそうされるともう誰にも見分けはつきません。

だから70年代のT-TOPしか怖くて買えないんですよ、ホンモノの昔のギブソンのピックアップを買おうとすれば。70年代のT-TOPならパチモノを作ってもすぐ特徴から判断できますし、それよりなにより、ホンモノの70年代T-TOP自体がそれほど高値で取引されているものではないので、わざわざ70年代のニセモノT-TOPを作って販売したって全然儲からないんですよ(笑)。それも70年代T-TOPが信用できる点のひとつですね。

あー、でもまたピックアップのカバーを買わないといけないなぁ(笑)。古いピックアップだけど、新しいカバーつけて使おうっと(笑)。

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