音圧

2017/08/12 Sat 18:32

最近ギターを弾いていて意識するのは「音圧」ですね。確かにアンプから出てくるトーンも大切なところがありますが、それと同じか、あるいはそれ以上に大切なのが「音圧」だと思います。

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「音圧」という言葉を聞きますとこういうイメージですよね(笑)。なんかマーシャルが壁のように並んでいてすさまじいギターの音が聞こえてくる、という感じの。

でも正直言えば、個人的にはこういうマーシャルアンプの壁!みたいなのはあまり憧れていません(笑)。まずもってこんなアンプ、スタジアムででもライブをしない限り必要性が全くないし、それよりなによりこんなアンプで音を出したら音圧どころかうるさくてうるさくて仕方ありません(笑)。

高校生のころどこかのステージで3段積みのマーシャルを鳴らしたことがありましたが、もう最悪(笑)。アンプの前に立つと背中から聞こえてくる自分のギターの音だけしか聞こえません。なので、それ以降、特に最近はステージ上でも音のバランスをしっかりと取りたいのでスタジオで鳴らす程度の音でしかギターは鳴らしません。客席にはPAさんがマイクを使ってしっかり聞かせてくれるので、今どきはどんなステージでもマーシャルをフルアップで鳴らす必要なんてないと思っています。

で、話を戻せば「音圧」なんですが、ギターに限らず、ドラムでも、ボーカルでもベースでもなんでも、結局大切なのはバンドサウンドの中に混ざってもしっかりと聞こえるかどうか、だと思うんです。音量の大きさが問題なのではなくて、アンサンブルの中でしっかりと通る音がするかどうか、そこが大事だと思うんです。

で、その指標のようなものが「音圧」だと思っています。理由はわかりませんけれども、やっぱり音圧を感じられる音って、音量がそれほど大きくなくても通る音だし、いい音だと思うんです。つまり人間の耳によく聞こえる音だということ。

私自身が音圧を感じたことは最近では2-3回ほど。一度目はいまヴァンヘイレンに戻っているデイヴ・リー・ロスが10年ほど前に小さなライブハウスでライブをした時。その時のギタリストのギターサウンドが本当に音の塊のような迫力あって、「ああ、一流のギターサウンドというのはこういう迫力があるものなんだな」と感じた時ですね。

そして二度目は、自分がスタジオでバンド練習をしていた時(笑)。家ではなんども音を出していましたが、バンドで鳴らすほどの音量で弾いたことはなかったのですが、今使っているのと同じシステムでジャズコーラスにつないで鳴らしたときに、「あれ?そんなに大きな音量にはしてないのに、エッジもしっかりと効いてやたら通る音がするなぁ。」と感じたことですね。

そして3度目は、先日ライブをした時に、見に来てくれたお客さんがしきりに「凄い音圧でした」と感想を言ってくれた時ですね。先ほども書きましたように、私はステージでもスタジオと同じくらいの音量しか出しませんのでそんなに大きな音は鳴らしません。なのにお客さんは「ものすごい音圧だった」と驚いていたわけです。

私自身は、デイヴのライブを見てからというもの、「音圧」がすべての楽器において最も大切なものだと思うようになりました。なのでドラムをたたいているときも、ギターを弾いているときも「音圧」、あるいは「通る音」は常に意識してきたことです。ただ音量を大きくすのではなく、聞いている人にしっかりと伝わる音を鳴らしたいと思ってきました。

そういう意味では、私のステージを見たお客さんが「凄い音圧だった」と言ってくれたことはとても嬉しいことですね、それを目標として音作りをしてきましたので。とてもよかったです。

実は家で小さな音で弾いているときも、自分のギターの音圧を感じることがあります。小さな音でいつも弾いているのですが、普通はアンプのすぐ斜め前くらいで弾いています。ただ、最近は立ってギターを弾くことが多いので、そういう時はアンプの真正面に立ってアンプをモニターのようにして弾くのですが、その時スピーカーの真正面に立つとそれまで小さく聞こえていた音がものすごい大きな音に聞こえるんですよね。

ギターアンプの特性なのかもしれませんが、ギターアンプのスピーカーってきっとものすごい指向性があって、スピーカーの真正面に立つかどうかで聞こえる音は全く違いますよね。私が家で鳴らしている昔々のローランドのボルト30もスピーカーの真正面に立つか立たないかで聞こえる音の迫力は大きく違います。

でもその正面から聞こえてくる自分のギターサウンドは、かなり小さい音のはずなのにものすごく大きな音に聞こえます。きっとそれが「音圧」なんだろうと思います。

昔は自分のギターサウンドに音圧があると思ったことはありませんでした。アンプも昔と変わっていないし、ギターも変わっていないのに。変わっているとすれば、単純に自分の耳が音圧を感じるようになったからか、あるいは昔と音のシステムがまるっきり変わったからだと思います。

音のシステムは、まずプリアンプが変わりましたからね。昔はアンプについているプリアンプをそのまま使っていましたので、ボルトのトランジスタによるオーバードライブサウンドでしたが、今はAMTの真空管を使ったものに変わっています。鳴らし比べてみるとわかりますが、ボルトのプリアンプのほうがマイルドでエッジの弱いサウンド、そしてAMTのほうがより音像がくっきりしたサウンドです。

そういうプリアンプの違いが音圧に与える影響はあるかもしれないですね。あるいはほかのエフェクターの影響もあるかもしれません。ちょっとしたパーツの違いなどが積み重なって音圧の差になってくることもあるでしょうからね。あるいはスピーカーが変わればもっと音圧は変わるかもしれません。

皆さんもご存じだと思いますが、ギターのディストーションサウンドって、ただ歪ませればよいというものではありません。ディストーションエフェクターの歪みつまみを強くすればするほど耳に聞こえる音はカッコよく聞こえても、バンドの中では蚊の鳴くような音しか聞こえずどんどん音圧はなくなり、通りの悪い音になってしまいます。

そうやって音圧を失わせることなくいかにして必要なディストーションサウンドを得るか、というのは、純粋なジャズを弾いているギタリスト以外のすべてのギタリストにとって最も大事なテーマの一つと言ってもよいくらいですものね。なので、アンプにこだわってみたり、エフェクターにこだわってみたり、あるいはピックアップにこだわってみたりするわけですからね。

私の場合は、プリアンプとオーバードライブですね。どちらも歪みはあまり強くしないで、しかし、しっかりと歪ませても太い音が出る真空管やペダルを使うことで、歪みが強くなってもしっかりとした芯のある音が出せるように気を付けています。が、とにかく今音圧を感じられるサウンドが鳴らせているのはとてもうれしいことです。それこそが私が追い求めてきたギターサウンドでありますし、それができているのなら、サウンド面で悩むことが一つ減るからです。

あとはもっと上手になることですね(笑)。特に最近気になるのはピッキングの下手さ。昔からこんなに下手だったのかな?と思うこともありますが、正直ブランクが空きすぎているので何とも言えないところ(笑)。とにかく今下手なのは事実なので(笑)、一生懸命練習するしかないです。

実はピッキングのタッチの良し悪しがアンプからの音圧の違いにもはっきりと表れてしまうので、ピッキングを克服することがより良いギターサウンドを鳴らすことにもつながります。なのでここを一生懸命練習するしかないですね、頑張ります。

いくつになってもへたくそはマスターすることが多くて大変です(笑)。

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