このブログではストラトのネックの弾きにくさを何度も書いてきましたが、今日ネットを見ていますと面白い動画を見つけました。それはこれです。

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この動画の最初のほう、1分42秒あたりでリッチーがなぜスキャロップトにしているのか説明をしていますが、その理由が「チョーキングすると弦が指から逃げるから」(笑)。普通に我々素人がストラトを弾いていて苦労するのと全く同じことを感じ、それがスキャロップトにする理由だったとは、妙に納得です(笑)。

むかしのインタビューでは、オールドギターを弾いたときに弾きやすかったからスキャロップトにした、と言っていましたが、結局指板が窪んでいるほうがストラトは弾きやすい、ということだったんでしょうね。

ストラト使いの代名詞のようにすら言われていたリッチーブラックモアからこんな発言が出るとはちょっと予想外でした。しかもリッチーはフレットをジャンボフレットに打ち換えていますしね。やっぱりストラトの指板のアールって、プロでも弾きにくいんじゃないか、ということがすごくよくわかりました(笑)。無理してノーマルストラトのきついアールのギターを弾く必要はないし、「ストラトが弾きこなせてようやく一人前」なんて誤った都市伝説を信じてストラトを弾く練習なんかしなくていいですよ(笑)。

本当に、楽器って自分が弾きやすいと思える楽器を弾くのが一番いいですし、そういう楽器を探すことがとても大事なことだと思います。もちろんストラトのきついアールの指板が弾きやすい!と思う方はそのままストラトを弾き続ければいいと思いますが、リッチーもエディもあのきついストラトのアールが弾きにくくてイヤだったから、指板をスキャロップトにしたり、あるいは指板のアールそのものをフラットにしたりしたんですよね。

だから無理して弾きにくいストラトのネックに我慢することなんてないんですよ。それを弾きこなす練習なんてする必要なんてないんですよ。そんな無駄な努力をするより、自分に合った、弾きやすいネックと指板のギターを弾くほうがずっとずっと上達が早くなりますし、何よりもギターを弾いていて楽しいですよ。

私自身の記憶をたどれば、とにかくナット幅が狭くて指板のアールが強いストラトを弾いていたころは、とにかくチョーキングとビブラートやりにくかったですね。特に1弦のチョーキングなんてとてもできたもんじゃありません。人差し指で1弦をチョーキングでもしようものなら、すぐに「カキッ!」という音とともに1弦が人差し指の下から逃げますね(笑)。それは2弦や3弦でチョーキングするときも一緒。とにかく無駄に力が必要で、ものすごく神経質にギターを弾く必要があるんです。

今のフラットな指板のネックになってからはそんなことは全く無縁ですね(笑)。もし今ストラトを持っているけれども、ネックが弾きにくくて仕方ない、と思っている方、それは正解です(笑)。弾きにくいんです、ストラトのネックは。だって超一流のプロだって弾きにくいと思いながら弾いているんですから。だから彼らは指板を改造したんですから。

そんなストラト、無理に練習して上手く弾ける必要なんてないです。そんな練習をするだけ時間の無駄です。私自身の経験から言っても間違いなくそう言えます。もし高校生のころから今のネックのついたストラトを弾いていれば、全然上達のスピードと表現力の豊かさは変わったと思います。

だって指板のアールのきついネックでは何十年練習してもどうしても弾けなかったエディのフレーズが、今のネックならいとも簡単に弾けるわけですからね。それくらい大きな影響があるんですよ、弾きやすい楽器を弾いているかどうか、ということは。弾きにくいギターで練習するなんて、時間の無駄以外の何物でもありません。

もし不幸にもそんな弾きにくい指板のついたストラトしか持っておられない人は、できるだけ早い段階でネックを別のものに交換するか、あるいはギターそのものを別のものに替えることを真面目にお勧めしますね。

ただ、最近のストラトは指板のアールが緩めになっているようですね。特にアメリカンスタンダードなどはローフレットでは比較的アールが強く、ハイフレットではアールが緩くなるようなコンパウンドラジアスの指板のものが取り入れられているようですからね。

私のネックはウォーモス製なのですが、ウォーモスはスタンダードがコンパウンドラジアスです。個人的にはローフレットもアールが緩いギターのほうが弾きやすいという記憶があるのですが、コンパウンドラジアスでも、まあそれほど支障を感じるほどのことはないです。それにウォーモスのローフレットは10インチのアールで、ノーマルのストラトのアールと比べるとはるかにフラットだから全然問題ないように思います。古くからのストラトの指板のアールなんて7.何インチなんてレベルで、もはや頭がおかしいとしか思えないほどですからね(笑)。

いや、本当にどれほど有名なプロギタリストが「まずストラトでギターを練習したほうがいい。あの弾きにくいアールのネックを弾きこなせて、そしてあのニュアンス豊かなシングルコイルをうまく鳴らせるようになったらどんなギターでも弾ける」と言ったとしても、真に受けないことです(笑)。たぶん多くの人はストラトがうまく弾ける前にギターを弾くのが嫌になるか、上達がある時点で止まってしまうと思います。つまりそれ以上上手になれなくなっちゃうと思います。

冒頭の動画にもありますように、リッチーだってあの指板のアールが弾きにくいからスキャロップトにしたんですから(笑)。ほんと、ムリしないでもっと弾きやすいギターを使って練習するほうが絶対いいと思いますよ、私自身の経験に照らしても。

それと、このビデオ見てると面白いことが語られていますね。80年頃だったと思いますが、リッチーのメインのストラトのヘッドにベース用のストリングガイドみたいなものが取り付けられたのですが(この動画ではエンドピンのようなものが付いています)、これについて当時は「やれヘッドの共鳴を抑えるためだ」だの「このほうが鳴りがいい」だの「バランスを取るためだ」とか「いや、チューニングを安定させるためだ」などといろいろと諸説飛び交っていましたが、本人のコメントはこれ。

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「なんの意味もない。みんなを困らせるために付けただけ」とのこと(笑)。日本では当時リッチーを神格化して、神のように奉っていたところがあったので、ヘッドに何かを取り付けたことにも何か意味があるのだろう、いやあるはずだ、と思い込んでいた人もいたのでしょうが、結果としてはなんの意味もなかった、と(笑)。

そりゃそうですよ、だって相手はちょっと変わり者のただのロックギタリストですよ。そんな人がやっていることにいちいち意味を問いただしたってほとんど得るものはないでしょう。エディに「なんでボディをストライプに塗るの?」と訊いているようなもので、そんなことにたいした意味はないし、好きだからやっているだけだし、ましてやサウンドに何か影響があるかどうかなんて考えてもいないはず(笑)。

ずっと前に公開されていた動画でしょうが、私は最近見たので、30年以上経ってようやく明らかにされるリッチーのギターの真実、ですね(笑)。ロックミュージシャンがやっていることにいちいち意味を見つけようとするなんて、ほんとバカバカしい話です(笑)。

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