とうとう、と言いますか、世間で「オーバードライブの最高峰」と讃えられているランドグラフのダイナミックオーバードライブを入手しました。早速ですがボードに組み込んでテストしています。

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さすが、世界最高峰とも言われるオーバードライブ、もう最初に一音鳴らしたときから全然違う!・・、なんてことはまったくなく(笑)、正直言って、フツーです、フツー(笑)。ボイリングポイントも随分テストしていましたから、大体音の傾向というのは把握していましたしね。

ぶっちゃけて言いましょうか、まあ普通のTS系オーバードライブですよ。特にすごくできが良いとか、そんなことも正直感じませんね。私がブースターとして使っているJOYOのオーバードライブと比較して何度も何度も色んなフレーズを弾き比べてみたんですけど、ランドグラフのほうが飛び抜けてる!というところは特になかったですね。

むしろ、ボイリングボックスのときと同じように、JOYOのほうがスムースでキメの細かいオーバードライブサウンドだと思いますね。ちょうどいいくらいにローテク、と表現するのがいいでしょうか。ただ、私が弾いて感じた限りにおいては歪みを強くしてもボイリングポイントほどディストーションっぽい歪み方はせず、絞り出すようにマイルドなオーバードライブサウンドをキープしたまま歪んでくれますので、その点ではボイリングポイントより良いように感じました。

マーシャル、ダンブル、TSの各モード切替スイッチがあるんですけれども、今日テストしている限りにおいてはこれをそれぞれどう使い分けたら良いのかイマイチ分からなかったですね。というより、マーシャルとダンブルモードをどういう場面で使えばよいのかがわからないです(笑)。

単体の歪ペダルとして使うにはショボい音だし、ブースターとして使うとしても、マーシャルモードだとTSモードのように美味しい中域を膨らませて音に色気と押し出し感を出してくれるわけでもなく、元々のトーンをブーストさせただけのように聞こえますし、ダンブルモードに至っては、これを使うメリットがわからないくらいです(笑)。

それぞれのモードの音量差も結構ありますし、その都度レベルのツマミをいじらないといけないのも実は面倒。まあ、サウンド面から言いますと、結局はTSモード固定で使うのが一番無難で使いやすいのではないかと個人的には思います。ただ実はJOYOのほうがフェイズ90のノリが良かったり、高音のヌケが良かったりして、ちょっと微妙なところ。家で小さな音で弾くより、スタジオで大きな音で鳴らしてみて良し悪しを判断するほうが良いでしょうね。

ま、サウンドはそのあたりとして、このペダルを手にしてまず感心したのは、前の記事にも書きましたとおり「付加価値」や「特別感」「一点もの感」にあふれていることですね。サウンドは別にしても、このペダルは本当に「工芸品」「芸術品」と言っても良いかもしれませんね。

ペダルにはそれぞれシリアルナンバーがシールで書かれており、同じナンバーが箱の外にも手書きで書いてあります。更にはケースの内側にも色んな手書きのメッセージとともにシリアル番号が手書きで書かれています。そしてケースの外のペイントはひとつとして同じものがないわけで、まさに「このひとつのペダルが他のどこにも存在していない特別なもの」である演出がそこかしこにあるんです。

ケースを開けてみると写真でよく見るあのポイントトゥポイントで配線された回路を目にします。実に手間がかかってそうな回路です。そしてその回路の奥のケースの裏側にも、果てはボリュームポッドの裏側にまで何やらメッセージが手書きしてあります(笑)。ペイントや配線、そしてこれらの手書きメッセージと裏蓋のサイン、と、これでもかとばかりに手間をかけて「特別感」を演出しています。本当にこれには感心します。それに実際に手に取ればわかるのですが、ニセモノが簡単に作れたり、イタズラができないように仕上げにもうまく工夫してあったりするんです。

これだけ手間をかけて一点ものが作られているのであれば、そりゃあ最低でも3万円以上は出さないとその価値に見合わないような気がしますね。「価値」とは「サウンド」や「トーン」ではなく、このペダルの「工芸品」としての「価値」です。だって国宝級の茶碗やお皿だって、お皿としての「機能」や「味」「材料費」に価値があるのではありません。それらの価値は「希少性」や「芸術性」「特別感」にあるのですからね。国宝のお皿で食べたって料理が美味しくなるわけでもなんでもありません。でも国宝の皿にはすごい値段がつくんです。

ランドグラフのペダルを見ていると、そういうことを感じましたね。確かにこれが他の大量生産の製品と同じ値段で売られたのでは、作った人が可哀想です(笑)。たとえサウンドが他のTS系ペダルとまったく一緒だとしても、素人が作った銀色ケースに入ったペダルと何ら変わらない出音だとしても、ランドグラフのペダルにはそんな音を超越する「価値」があると感じますね、正直。

だから、このペダルにそういう「芸術性」や「特別感」「一点ものの魅力」を感じる人は何万円払って買ってもきっとそれほど後悔はしないでしょう。しかし、もしペダルから出る音だけしか興味がない人にとってはランドグラフのペダルにまったく価値はないと思います、正直。

ランドグラフと同じサウンドが出るペダルなんて、世の中にいくらでもあります。ランドグラフより音がいいペダルも探せば必ずもっと安い値段で売っていると思います。ですから私自身が実際に使ってみて、このランドグラフのオーバードライブが「最高」であるとはまったく思いません。音だけなら別に3千円のJOYOで十分満足できるし、逆にランドグラフでなければ困ることは殆どないと思います。

・・ですから、私の感想はそんな感じですね。オールドPAFやオールドギターに価値を見出す人たちにとってはランドグラフのペダルは同じように価値を感じられる製品ではないかと思います。でも「機能重視」「コスパ重視」「サウンド重視」の人にとってはランドグラフのペダルを買う必要なんて全く無いです。他のペダルで十分すぎるほど満足できるはずです。

正直言って、もしこのペダルの「音」で判断して「さすが最高のペダル!」と手放しで評価している人がいるとしたら、その人の耳とギターの腕を疑いますね(笑)。だって有名なプロで今ランドグラフのペダルをボードに入れてライブで使っている人なんています?実はネットでいくら探しても、そんな人だれも出てこないんですよ(笑)。つまりランドグラフのペダルとしての実力はそういうことですよ。至ってフツーなんです(笑)。

そのようにランドグラフのオーバードライブペダルを評価して、とりあえず終わりたいと思います。やっぱりこういうギターの機材というものは自分自身がホンモノを弾いてみないと評価のしようがないですからよかったです。これで噂の「世界最高峰」のオーバードライブというものがどんなものかよくわかりました(笑)。

実は複数のランドグラフDODが手元にあるので、それぞれの比較も行っています。確かにランドグラフDODには「最高」と呼ばれる「価値」があることは理解できましたし、同時に他のペダルとなにも変らないところもしっかり理解できました。もちろんスタジオに持っていって大きな音で鳴らせば別の感想も出るかもしれませんので、それはその時に書きたいと思います。

それにしても相変わらずJOYOのオーバードライブは素晴らしいことを改めて実感しました(笑)。TS系のオーバードライブが必要なら、私なら迷わずJOYOをオススメします(笑)。ブースターとしても優秀ですし、単体の歪みとしてもとてもイイ感じに使えます。別の言い方をすれば、オーバードライブペダルなんてそんな程度のものだ、ということが言えるかも知れないですね。

それがわかったのも大きな収穫でした(笑)。あと試してみたいのは本家のTSくらいかなぁ。

≪追記≫
連日でJOYOとランドグラフを弾き比べていますが、上の方では「JOYOもランドグラフも同じようなサウンド。ほとんど変らない」というように書いていますが、それは少し極端に言いすぎたように感じますし、実際には両者のトーンは少し違います。時間をかけていろんなフレーズを弾き比べていますと、やはり二つの違いというものが少しずつわかってくるようになります。

ランドグラフのほうはもっぱらTSモード(トグルスイッチは下のポジション)で比べていますが、確かに似たようなTS系のサウンドですが、ランドグラフのほうが少し、というかずいぶん音は太いです。サウンドはJOYOよりもミッド・ロー寄りのサウンドです。JOYOのほうがハイの音抜けが良く感じられたり、フェイズ90の掛かり方が良く感じられるのも、そういうトーンの違いからくるものだと思います。

ハイポジションでピッキングしたときなどのアタック音は明らかにランドグラフのほうが太く、低音弦のローポジションのサウンドもJOYOのばっさりとローをカットしたサウンドと比べるとずいぶん太い音です。

ただ、ではランドグラフのほうが太い音がするからバンドの中で演奏してもいい音なのか、というのは別の話だと思います。ローをばっさり切ってしまったほうがバンドの中では音抜けがいい、というのはよくある話ですからね。それはバンドの中で大きな音を出してみないとわからないところです。

でも、ランドグラフとJOYOの大きな違いはこの「音の太さ」ですね。私自身はランドグラフの音の太さにも少し慣れてきたので、ランドグラフのトーンも心地よく感じるようになってきましたし、しばらくはランドグラフを使ってサウンドメイクしようと思っているところです。あとは大きな音で鳴らしたり、バンドの中で鳴らした際にどのように聞こえるか、というところがチェックポイントかなと思っています。

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