ブティック系ペダルの正体

2016/12/03 Sat 02:06

「ランドグラフ」でググっていますと面白い記事を見かけました。ある有名ペダルビルダーから見たランドグラフやその周りを取り囲む商売人たちに関する記事です。

クレイ・ジョーンズが語るジョン・ランドグラフとボブ・バートの真実、そして日本のブティックペダル市場の夜明け

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まあこれはクレイ・ジョーンズという人(伝説のブティックペダルビルダーと祭られた人らしい)の目線から書いた内容なので、どこまで客観的な話になっているのかはわかりませんけれども、しかし多かれ少なかれ、ことエレキギターの機材やパーツに関する話としてもこういったことがあるのではないでしょうか?

ピックアップのPAF伝説についても同じだと思いますし、オールドギターにまつわる神話や、オールドマーシャルやランドグラフ神話も似たようなものでしょう。でも面白いですね、この人によればランドグラフのDODにしても「部品を3個換えただけのTS」とバッサリ切られるわけですからね(笑)。

でも、実際そうなんじゃないでしょうか?リンク先の記事にもあるように、音の善し悪しや違いがわからない人は何を弾いても良し悪しはわからないし、中身は一緒なのにちょっとケースのデザインを変えただけで自分の思い込みやイメージから勝手に「これは他のペダルと全然違う!最高!」と思ってしまうようなものなのでしょうね。そういうユーザーはこういう商売を行ってお金を稼ごうと思っている人たちにとって格好のカモですよね。こういうブティックペダルに高い金を払うのが日本人とアメリカ人だという話も、PAF同様なんとなく頷けるところですね(笑)。

コレクションとしてPAFやランドグラフを所有することは私も否定はしませんが、「音がいいから」「これが世界一だから」という理由で使っている人がいるとしたら、正直クビを傾げますね。正直書けば、コンプレッサーとTS系のオーバードライブを組み合わせれば、たぶんランドグラフのような音は誰にでも出せると思います。

まあそもそもポイントトゥポイントのハンドワイヤードのほうが音がいい、と思うところからして疑問ですね、私には。だって皆さん普段から言ってるじゃないですか、ローインピーダンスにすれば少しくらいの配線の長さの違いなんてサウンドに影響は与えない、と。じゃあなぜエフェクターの配線がプリント基盤かポイントトゥポイントか程度の違いで音の違いが出ると思います?普通に考えて出るわけないでしょ、そんなもの(笑)。

プリント基板の銅箔とリード線で電流が流れる量に差があるとでも?私の古ーい記憶では、逆にポイントトゥポイント配線よりプリント基板のほうが効率が良い、と電気系の本で読んだことがありますけどね。ポイントトゥポイント配線なんか、プリント基板を作ることができない場合に「しかたなく」行なう配線、あるいはプリント基板という技術がなかった時代に行われていた手法、という認識なんですが、私の間違いだったのかな?

むしろ普通に考えてプリント基板のほうがきちんと設計されていれば明らかに配線の効率がよく、そのため電導効率なども良いように思うのですが。それにそもそも作業がやりにくくて手間がかかるポイントトゥポイント配線は、明らかにコストアップと品質のばらつきの要因になるだけ。そして手間がかかっていることを「だから高くなるのもしかたないんです」という言い訳に都合よく使われているだけのような気がします。

このブログには以前から何度も書いている話ですが、ほんとエレキギターの世界には「オカルト話」が多すぎますね(笑)。PAF神話、ボディ鳴りやオールドギターの話、アナログ信仰やブティック系ペダルなどにおけるローテク信仰・・。でも、これまた何度もこのブログに書いていますように、そんなものは演奏技術の優劣によって簡単に吹っ飛んでしまうような話なんですけどねぇ・・(笑)。即ち「どーでもいい」レベルの話(笑)。

私も個人的にランドグラフのDODに興味を持っているのは以前の記事にも書きましたが、それはデザインの魅力とコレクションとして面白い商品だと思えるからです。それも価格が5万円くらいなら、まあペダルのコレクションのために支払えるギリギリの金額のように思えたので、ランドグラフを所有するのも面白いかな、と思っただけのことです。

冒頭のリンク先の記事を読んでいますと、ランドグラフに対する興味は多少減りましたね。でも現実的な話をすれば、ボイリングポイントとJOYOを比較しますと、同じTSコピーペダルでも明らかにこれらの間には大きな差があります。ランドグラフは「TSのパーツを3つ換えただけ」と書かれていますが、真面目な話をすれば、パーツを3つも換えればサウンドには少なからず大きな影響があるはずです。だって私が使っているフェイズ90だって抵抗をひとつ外すだけでサウンドの特徴が大きく変わりましたからね。

ただ、この記事を書きながら「やっぱりブティック系ペダルは音がいいのかも?」とふと思い、またまた(3度目くらい?4度目くらい?)ボイリングポイントとヴィンテージオーバードライブを交換して弾き比べてみました(笑)。

結果、以前にも増して速攻でヴィンテージオーバードライブに軍配が上がりました(笑)。ボイリングポイント、なんか弾けば弾くほど私の好みじゃない部分が際立ってきました。初めて弾いたときは「おお!オーバードライブペダルなのに太い音がする!」と感動に近いものがあったのですが、弾き込んでいくとなにかつまらないんです。

で、今日も久しぶりに弾きましたが何の魅力もなかったです、正直。ヴィンテージオーバードライブと比べてなにがダメかと言えば、まずピッキングした時のアタック音。何の色気もないんです。音が太くてファズのように荒くて汚いタッチの音が鳴るだけ。全然スムーズじゃないし、「きめ細かい」「繊細」とは正反対のトーン。

ランドグラフ系のサウンドを「アンプのような音」と表現する方がいますけど、ランドグラフととても似ていると言われるボイリングポイントに関して言えば、全然アンプのような音じゃありません。ただ荒くて何の色気もない太い音がするだけ。ナチュラルでピッキングのタッチから絞り出すようにセクシーなトーンを出せるのはヴィンテージオーバードライブの方です。

ヴィンテージオーバードライブの線の細さ、歪の浅さをカバーしたければ前段にコンプレッサーをつければその欠点はすべてなくなり、きめ細かいクリーミーで絞り出すようなセクシーなトーンが鳴ります。でもボイリングポイントの前にコンプレッサーを入れてもそんな魅力的な音にはなりませんでした。やっぱり何から何までヴィンテージオーバードライブの勝ち、ボイリングポイントの完敗です。勝っているのは10倍くらいの値段とマーブル模様のケースの素晴らしさくらいなもの(笑)。

そうやって改めて弾いてみますと、別にブティック系だから音がいいか悪いかというのは単純に個人の好みの問題ですね。しかもランドグラフって日本人にしか人気ないみたいですしね。そもそもよく考えてみれば、別に誰か有名なギタリストが使って評判が高まったというペダルでもないし、なんか商売にかかわる連中が作り出したオカルト話から評価が高まった部分も少なからずあるのではないでしょうか。

まあでも確かにランドグラフはとんでもない価格設定で詐欺のような商売をしていたのかもしれませんけれども、その詐欺に伸るか反るかはユーザーが自分の意志で判断すればいいこと。そのネット掲示板の仕込みを含めた巧妙なキャッチコピーを真に受けて買う人がいれば、一方で「ケッ、そんなのどうせパチもんだ。もっと安く作れるはず」と吐き捨てて買わない人がいてもいいと思います。人それぞれですからね。

私は・・、う~ん今日ボイリングポイントを改めて弾いてみて感じたことは、「サウンド面から見ればランドグラフ系のペダルは、要らない」ですね。単純にコレクションとして所有するのにはいいかもしれませんけど、「音がいいから使うのか?」と言われると正直疑問ですね。だってJOYOの4千円のペダルのほうがいい音するんですもの(笑)。JOYOをモディファイしてもう少しトーンの変化とか歪の深さとかを調整できるようにしてもらえればそれで何の不満もないですね(笑)。

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