最近ギターを再び本格的に演奏するようになってきたので、私のギタープレイとサウンドに大きな影響を与えたエディ・ヴァン・ヘイレン(以下「エディ」)のギターサウンドについて考えてみたいと思います。

最近でもエディのギターサウンド(いわゆる「ブラウン」と呼ばれているトーン)を再現するといわれるエフェクターなどがいろんなメーカーから発売されていますよね。とうとうエディ本人の監修による歪みペダルまで発売されちゃってます。

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私自身はまだこのペダルは試したことはありませんが、ユーチューブなどの動画を見ていますと最近のエディサウンド(5150アンプを使い始めて以降のサウンド)なんでしょうね。一応昔のトーンも出せる、とはエフェクターの売り文句には書かれていますが。

それはそれとして、結構エディのトーンを語るときには、実際のサウンドとイメージがずいぶん乖離している、というか、結構エディがインタビューでしゃべっている内容も時期によってブレブレだよなぁ、なんて思っちゃうことも少なくありません(笑)。まあ、そこはプロミュージシャンならではのアバウトさだと大目に見てあげるべきなんだと思います。

昔にさかのぼって振り返ってみますと、デビュー当時のエディはオールドPAFとオールドマーシャルによるトーンが「ブラウンサウンド」であるように言われていました。でも実際には、彼が使っていたPAFはオリジナルのPAFではなくPAFのコイルを巻き直ししたモノが使われていて、彼の好みのトーンがでるようにされていました。なので実際にオールドPAFを手に入れてギターに取り付けたとしても、きっと全く違うトーンだったのではないかと思います。そこはダンカンの’78でも入手すればイメージがつかめるかも知れません。

またマーシャルも回路に手を入れたり電源の電圧を上げたり下げたりして使っていたと言われています。でもそれだったらオールドPAFのサウンドでも、オールドマーシャルのサウンドでもないですよね?(笑) それだけ改造されていれば、どちらも「自分好みに改造された」オリジナルピックアップとオリジナルアンプを使っていたと言っても間違いじゃありません(笑)。

また彼は当時「ワウペダルは嫌い。ディマジオのピックアップも嫌い、オールドPAFかダンカンを使う。ネックはメイプルのトーンが好き」と公言していました。それがいまでは・・・?(笑)

ワウペダルは自分のブランドを冠したペダルを発売するくらいですし、ディマジオのピックアップは彼のオリジナルブランドのギターを作り始めてからはしっかりタッグを組んでいました。そしてネックの指板に関しては、つい最近とうとうエボニー指板のギターをメインに使うようになってきました。

まあその時代によって意見が変るのは当然なのですが、エディの場合正反対にブレることが少なくないので「だったら以前にあれだけ力を入れて断言してたり、批判してた内容はなんなの?」と思っちゃうんですよね。以前「嫌い」と言っていたモノを「最高」と言って使っちゃったりするんですよね。もちろん彼もプロですから、いろいろとビジネス面での理由があるのだろうとは思いますが、それにしては正反対に変りすぎ(笑)。そのあたりが天才の天才たるゆえんでしょうか・・?

だからブラウンサウンドと一般には一括りに言われていますけれども、最初のフロイドローズ使用前の時期(アルバム1枚目~3枚目(3枚目は1曲だけフロイドローズ使用))、フロイドローズ使用開始後の時期(アルバム4枚目~6枚目)、サミー参加後の時期(アルバム7枚目、8枚目)、オリジナルブランドギター・アンプ使用開始後(アルバム9枚目、10枚目(ライヴやベストアルバム除く))、ゲイリー参加後(11枚目)、デイヴ再参加後(12枚目)で結構サウンドは変っています。

正直な感想を言えば、ゲイリー参加後のエディのギターサウンドはノペッとしていて色気がなく、硬質で図太く歪んだだけのサウンドなのであまり好きではありません。あれを「暖かいブラウンサウンド」と表現するのは少し違うんじゃないかと思いますね。私がアルバムを聴いている限りにおいて、「暖かいブラウンサウンド」と感じたものは最初の1~2枚目と、サミー参加後最初の7~8枚目ですね。

あと9枚目のFUCKの時期のサウンドもスタジオ・ライブ共にソリッドながらもかなり色気を感じるサウンドだったと思います。きっとミュージックマンのギターとピーヴィーの組み合わせがよかったんでしょうね。

それ以降は、実はそれほど「暖かいサウンド」と感じたことはないです。最近のサウンドは「ソリッドで太い音」と感じることはありますが、エディが弾いてもニュアンスが付きにくいサウンドで、あのトーンで昔の曲を演奏すると少し違和感を感じるくらいです。

ギター、アンプ、ピックアップはこのような感じに結構大きく変っていっているのですが、ペダルに関してはあまり変ってないですね。デビュー当時からフェイザーとフランジャーは一貫してボードに入って使われていますね。ただサミー在籍時の期間だけはこの二つのエフェクターも昔の曲を演奏するとき以外ほとんど(というか全く?)使われていませんよね。サミーに「止めろ」と言われたからなのか、エディが自ら使用を止めたのかわかりませんが、あの時期だけは不思議なくらい使っていませんね。

まあそんなこんなで激しくギタートーンも変遷しているので、一口に「ブラウンサウンド」と言っても、どの時期のギターサウンドを指して言っているのか詳しく聞かなければわからないです。私のイメージでは「ブラウンサウンド」は基本的にマーシャルをしっかりと歪ませているサウンド、という感じですね。フロイドローズ特有のキンキンした部分が抑えられていて伸びやかでつややかなものがいいです。

世の中には、私を含めてまだまだ多くの人がエディのようなギターサウンドでギターを弾こうと思っています。どの時期のエディサウンドを真似したいと思っているかという点は人によって様々だと思いますが、私の憧れ、というか目指すサウンドはデビュー直後の頃のサウンド。ソロではフェイザーを掛けて大きくうねりながらまろやかな色気をまとった感じのトーンが大好きです。

最近手に入れたAMTのP2はイメージがピーヴィー5150のトーンですが、これはオリジナルブランドの器材を使い始めて以降かろうじて私が許せるFUCKアルバムのサウンド。あの頃のソロプレイにおける伸びやかなフロントピックアップのトーンは、初期の頃のモノとは違いますが、でもあの色気あるトーンはまさに「ブラウン」ですねぇ。クリアなのに伸びやか、という感じで最高ですね。

エディ好きなギタリストの皆さんは、それぞれの方が好きな時期の「ブラウンサウンド」を目指していろいろと器材を導入していくのが面白いでしょうね。でも最終的には目指すブラウンサウンドをアンプから出すために最も大切なことはあなた自身の「左手と右手」(笑)。ここを必死こいて練習し、鍛え上げていかなければ、アンプから鳴っている音は単に「エディ風の音が出る器材を使って出たギターサウンド」に他なりません。

エディのような色気のあるブラウンサウンドを出したければ、ほんのちょっとしたチョーキングの音程の上げ具合、ビブラートの大きさやスピード、そしてピッキングの角度やタッチ、そんなものが複雑に絡み合ってきます。高価なエフェクターやアンプを使うことも確かに重要でしょうが、それだけでいい音が出せるわけではありません。自分が求めるブラウンサウンドを出すのに最も必要なものはなんと言っても「テクニック」や「技術」だと思いますね・・。

ふう、私も一生懸命練習するか・・(笑)

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