LINE6のAMPLIFi75についてレポートを書いているわけですが、今回はその機能について少しばかり。

このアンプはアンプ単体として普通のギターアンプのように使うことができるほかにいろんな機能を持っています。前の記事にも書きましたように、ブルートゥースでタブレットなどと接続して自在にトーンを変えられることもその大きな機能の一つです。
例えばタブレットのアプリに表示される「AMPLIFi75」というアイコンをタップしますと、プリセットされている様々なトーン設定を呼び出すことが可能になります。その中には有名ミュージシャンの曲のタイトルが付けられているものもあって、それを選べばそのミュージシャンをイメージしたトーンを一発で呼び出すことができるわけです。

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このメニューからタップしますと・・

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こんな感じにプリセットされたたくさんのトーンが出てきます。そのタイトルを見るだけで、どんな音が出てくるのかイメージできそうですねぇ。

さらにもっと画期的なことは、このアンプが完全にネットと融合していることで、先ほどのプリセットされているトーンから選ぶことができるだけでなく、メニューの「Tone Search」というアイコンをタップしますと検索画面が出てきて、そこに例えば「VAN HALEN」と入力しますと、世界中のユーザーがネットにアップしているエディ・ヴァン・ヘイレンを真似て作ったプリセットトーンが検索されてリストアップされるのです!凄いですねぇ。

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エディのトーンだけでもこんなに!一つ一つ試してみて似ているサウンドを探し出すのも楽しいかも。

さらには、このアンプはもともと音楽を鳴らすことができるようになっているんですが、皆さんも好きな曲をかけながら一緒にギターを弾いてみたいと思ったことがありませんか?そんなときにはブルートゥースや有線でAMPLIFi75に接続してアンプから音楽を鳴らすことができるのです。

通常、ギターアンプから音楽を鳴らすと変な音になってしまうものですが、このAMPLIFi75は音楽を鳴らすためだけにスピーカーがちゃんと用意されていて、ギターサウンドとは別のチャンネルからオケとして音楽を流すことができるのです。これは好きなミュージシャンの音楽を延々と流しながらギターをプレーしたいときには嬉しい機能ですよね。

しかもボリュームノブを押すことによって、その音楽とギターの音量バランスを取ることもできるので、ギターの音が大きすぎたり、逆に小さすぎて音楽に埋もれてしまうこともありません。さらには、私はまだやったことはないのですが、ネットを通じてその曲に最適なギタートーンでギターを鳴らすことができるのだそうです。まさに有名プレーヤーと一緒にジャムをしている感覚になれるわけですね。

ですから、そういう意味では自宅でのんびりと好きな音楽を流しながら、その曲に合わせてギターを楽しむことができる、ということに主眼を置いた、今までにない画期的な「家電ギターアンプ」なんですね。オーディオとギターアンプが融合したと言ったらよいのでしょうか、そんな機能を持っているアンプなのです。

でも、そんなことができるのも、このアンプがデジタルのモデリングアンプだからこそです。昔ながらのフルチューブアンプではこんな芸当は絶対無理です。フルチューブアンプには、フルチューブアンプでしか出せない迫力ある生音があるわけですが、それとは全く別の視点から作られた「家でギターを楽しむためのアンプ」がこのAMPLIFiシリーズだと言えるのでしょう。

私は個人的にこういうアンプはアリだと思っています。音楽は楽しむことが何よりも一番ですし、スタジオで大きな音を鳴らさなければ気持ち良い音でギターを弾くことができない、というのもなかなか大変なことです。もっと自宅で一台のアンプを使っていろんな音を出して、いろんな音楽とともにギターを弾くことができれば、それはすごく手軽で楽しいギターの演奏スタイルだと思うのです。

デジタル技術の登場とともにシンセサイザーなどがもう30年近く進化を続けてきているのに対して、なぜかギターは相変わらず1950年、60年、70年ごろの古いギターやアンプ、ピックアップやエフェクターだけを高く評価する、すごくアナログで、ノスタルジックな世界に留まっていました。

デジタル技術をもってすれば、ギターはもっとすごいスピードで進化することが可能だったにもかかわらず、シンセのように「ゼロから音を作り上げる」楽器ではなく、「弦を自分で弾いた音を拾って鳴らす」といったアナログの部分があったせいか、どうしてもアナログな部分を崇拝する空気が強くありました。

確かに自分の指で弦を弾いて鳴らすという特徴ゆえ、ギターの場合そういうアナログの部分が持つ魅力は捨てがたいのですが、デジタル技術の進化によって、その「表現」の部分についてはデジタル機器も相当アナログの良い部分を表現できるようになってきているのではないかと思います。

正直言って、私が10代のころ使っていたローランドのBOLTというチューブアンプのサウンドと比べても、AMPLIFi75のほうがいいチューブアンプサウンドを出してくれます。ピックが弦にあたるときの「キラッ」「キュッ」「キッ」というアタック音などは、モデリングしたアンプによって見事にトーンが使い分けられ、レコードやライブで有名プレーヤーが演奏したあのトーンにそっくりだな、と感じます。そういう意味では、安物のアナログアンプを使うくらいなら、AMPLIFi75のようによくできたデジタルアンプを使うほうが全然楽しくギターが弾けます。

楽しくギターが弾ける、ということは、ギターが上手になることに大きな影響を与えますからとても大事なことです。私もこのAMPLIFi75が家にやってきてから、どれほど家でギターを弾く時間が増えたことか(笑)。それがこのアンプの最大の魅力の一つであり、きっと多くのギタープレーヤーにとってもとても魅力的なものになると確信しています。

先ほどもギターの世界にはアナログやローテクを有り難がって崇拝する面が少なからずあると書きましたが、プロがその傾向を助長させていることも少なくありません。確かにプロはそのすごいテクニックと耳と感覚でもって楽器やエフェクター、アンプのサウンドの良し悪しを見分けることができるのですが、でもハイテクアンプというのもすごいですよ、本当に。プロにはプロならではのすごい音楽があると思いますが、アマチュアにはアマチュアのギターの楽しみ方、音楽の楽しみ方があっていいとも思うのです。

そう言う意味でもぜひ一度「デジタル」という偏見を捨てて、楽器屋さんでAMPLIFiシリーズを試奏してしてみてほしいと願いますね。きっと今まで感じたことのない感動や楽しさをそこで経験できるんじゃないかと、私は思っています。

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