前回、試しに3弦だけボールベアリングをサドルに取り付けてみてその効果を確認したところですが、その後ボールベアリングを外して、元ついていたローラーを取り付けてみました。そのローラーはクルクル回るようにヤスリで両端を少し削っているものです。
もともとこのローラーは6弦のサドルに取り付けていたものですが、今回試しに3弦に回るローラーを付けてみようと思ったわけです。で、結果を言いますと、この回るローラーにするだけでもチョーキングをしても3弦のチューニングがほとんど狂わないことがわかりました!

やっぱりチューニングが狂う原因の大きな要因はサドル部分での弦のズレですね。これを解消できれば、あとはロックペグを取り付け、ナットはそこそこ普通に調整されたモノをつければノーマルストラトでアーミングをしてもほとんどチューニングは狂いません。あ、もちろんトレモロを皿ネジで止めて支点が動かないように取り付けることも大事なポイントだと思います。

そうすれば本当に狂わないですよ。アームを使っている時の気持ち悪さって、チューニングの微妙なズレによってコードの響きが気持ち悪いことなんですよね。生音で鳴らしていてもコードってチューニングが少しでもズレていると気持ち悪くて仕方ないですからね。特にオープン弦を絡めたコードなどを鳴らすと、チューニングがズレている時の気持ち悪さはなんともいえません。

そういう気持ち悪さがないのがフロイドローズやノントレモロの普通のギターなんですよね。ストラトでアームを使っていますと、例えどれほどプロがセッティングしてくれたとしてもこの気持ち悪さが解消されることってなくて、これがノーマルのトレモロを使っている時の最大のウィークポイントだったんですよねぇ。

でもサドルのローラーが回れば、それがほぼ完璧に解消されます。前回書きましたように数セントは狂っていますが、でもそれがコードを鳴らした時の気持ち悪さにつながるほどではありません。トレモロを使っているのに、ノーマルストラトでこのコードを鳴らした時の気持ちよさなんて、今まで体験したことがなかったのでとても気持ちいいですね。生まれて初めてフロイドを使った時の気持ちよさにつながるものです。

まあでもとりあえずベアリングも注文しましたので、私はサドルのローラーを全部ベアリングに交換してみます。だってベアリングのほうがローラーよりも抵抗が少ないのは間違いないので、ベアリングのほうがより良い結果が得られることはほぼ確実だからです。

いや~、なんか長年の懸念というかストレスというか、それがほぼ完璧に解消されそうですね。しかもフロイドローズ以外の方法によって。まあ、今回の改造のヒントになったのはケーラーのトレモロ(今もあるのでしょうか?)なんですが、あれはフロイドのパテントを侵害しないためか、ナットではロックしてないんですよね。ナットの後ろ、ペグ側にロックユニットがあってそこで弦をロックしてました。

ということは、実はナットの滑りってそれほど重要じゃない、ってことなんですよね。要するにナットのヘッド側で弦がたわんで動かなきゃいいわけで、だったらケーラーみたいなロックシステムをナットのヘッド側に取付ようが、ロックペグにしようが、一緒だって話になるんです。だからナット側のチューニング対策はロックペグにするだけで十分だと思うんですよね。

それに加えて大事なのはサドル側での滑りの良さになるわけで、ケーラーはムスタングみたいなダイナミックトレモロになってるのでストラトとは仕組みが違いますが、弦の滑りが良くなるようにローラーがサドルに取り付けてあります。ダイナミックトレモロはサドルの部分で弦が動くことによって弦のテンションを上げ下げするので、ここの滑りが悪いとチューニングはメチャクチャになっちゃいます。

なのでケーラーはローラーがサドルについているわけですが、ストラトだってサドル部分で微妙に弦が動くことによってチューニングが狂うわけですから、サドルにベアリングを付けて弦の動きを良くすりゃいいじゃん!というのがケーラーから得たヒントだったんです。

つまり、ロックペグを使い、サドルにベアリングを組み込めば、ノーマルのストラトでもケーラー並みのチューニングの安定性は手に入れられるはずだと考えたわけです。で、実際にやってみますとその狙い通りにうまくいきましたねぇ。

私は個人的にケーラーのふにゃふにゃしたアームタッチと、フローティングしているダイナミックトレモロと弦のテンションの弱さからくる音の軽さ、そしてストラトと比べたアームの効きの弱さがどうにも好きじゃなくて、ケーラーを取り付けたギターを持とうとは思いませんでした。でもヒントになることはあるもので、今回のローラーサドルを改造するにあたってかなりケーラーの仕組みは参考になりました。

サドルをローラー化することに関して言いますと、はっきり言えば、3弦と6弦のサドルだけをローラー化すれば他の弦はまあそれほど気になるレベルには狂いません。ただ、とにかく私は「ギターのチューニングの狂いのクセを頭に叩き込んで、それをフレーズやテクニックでコントロールしながら演奏する」ということがイヤなんですよね。そんなめんどくさいことしたくないんです。ギターのフレーズがうまく弾けるのは嬉しいですが、トレモロのチューニングを狂わずに演奏する「職人」にはなりたくなかったんですよね。

なによりチューニングの狂いを気にするあまり演奏するフレーズに限界があるというのが嫌で嫌で仕方なかったんです。「2音半チョーキングをしたらチューニング狂っちゃうかなぁ、大きなビブラートかけた後はアームかけてチューニング戻さないとコードが汚くなるしなぁ」とかそんなことを考えながら弾くのがイヤだったわけです。

きっとノーマルのシンクロを使いたくない方ってそういう理由からだと思うんですよね。エディ・ヴァン・ヘイレンが40年弱程前に自分のギターに最初のフロイドローズユニットを取り付けて、それ以降は一貫してフロイドローズユニットが取り付けられたギターしかライブで弾いてこなかった理由もそこにあると思うんです。

でもようやくノーマルのシンクロでもそういう呪縛から解き放される時がやって来ましたねぇ!嬉しいですね、私がストラトを弾き始めてからかれこれ30年以上経つのに、ようやく今頃ストラトを自由に弾けるようになったわけです(笑)。いや本当にエディがフロイドを使って自由自在に弾きまくっているのと同じようなフレーズをシンクロの付いたストラトで弾いてもチューニングが狂わないというのは、素直に嬉しい気分ですね。

さあ、ボールベアリングが来るのが楽しみになってきたなぁ(笑)。

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