私は個人的にオーソドックスなジャズが好きなので、インターネットラジオなどでもよく聴くのですが、ジャズのプレーヤーたちの演奏には、ただ単純に「凄いなぁ」と驚くことが少なくありません。

 また一方で、特に昔の演奏などを聴いていると「うーん、これはもしかして上手いの?」と思う演奏に出会うことも少なくなく、私たちの一般的な認識である「ジャズプレーヤー=メッチャ上手い人達」という価値観に疑問符がつくことがあります。

 はたしてこのあたりはどうなのでしょうか?ジャズのプレーヤーでも下手な人はいるのでしょうか?それともやはりジャズのプレーヤーはみんな上手いのでしょうか?

 いろいろなジャズの曲を聞き込んで、私が感じた感想は「ジャズと言っても、そりゃ下手な人もいる。特に昔のプレーヤーの中には」ということですねぇ。あたりまえといえば、凄く当たり前の話なんですけど(笑)。

 多分最初にジャズを耳にしたときに多くの人が感じることは、「なぜジャズという音楽では、こんなに音が下品なのか?」ということでしょう(笑)。特に金管楽器系のサウンドはワザとだと思うのですが、汚いトーン、汚い音程で鳴らすことも少なくありません。

 またピアノにおいては、明らかにミストーンと思われる音が少なからず混ざって聞こえてきます。またピアノの奏法そのものが、ジャズでは打楽器のように鍵盤を叩くことが多いので、音がとても汚いです。そのため、初めてジャズを聴いた人や、もちろん長くジャズを聞き込んできた人であったとしても、そういうトーンの汚さやミストーンが耳につくことが少なくないと思うのです。

 「それがジャズだよ」「そういうスリリングさ、きわどさが魅力さ」と言われればそれまでなのですが、これらのミストーンや汚いトーンを「味」という一言で片付けてしまうのは、やっぱりやや乱暴すぎるのではないかと私は思います。結局それは自己満足の世界というか、単なる下手さの言い訳じゃないか、と思ったりするわけです。

 だって本当に上手いジャズプレーヤーたちの音は綺麗です。ミストーンもありませんし、ピアノでもデイヴ・グルーシンなどは、クラシックピアノにも通じるトーンの美しさで、生音を耳にすると涙が出そうになるくらい美しいピアノの音を奏でます。

 最近の有名ジャズプレーヤーたちの中には、もう下手な人が混じっていることはないと思いますが、ジャズ全盛期だった50年~60年前くらい頃であれば、素人にちょっと毛が生えた程度のプレーヤーも決して少なくなかったのではないかなぁ、と思いますね。

 今のロックなどでもそうじゃないですか。アマチュアよりも下手に思えるプロプレーヤーはロックの世界にはいくらでもいますから、ジャズ全盛だった時代なら、下手なジャズプレーヤーもいくらかいたんじゃないでしょうか。実際にインターネットラジオで聴いていても「何がしたいの?」と訊きたくなるようなソロを弾いている人が時々いますからね。チューニングもずれちゃってますし(笑)。

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