前回のブログでPAFやオールドギターサウンドを語る方の中で「ジミー・ペイジの熱狂的ファン」を自認する方の話はイマイチ信じられない、という話を書きました。で、そのブログを書いた直後にオールドPAFやオールドギター、はたまたオールドマーシャルを商売に結びつけたい人にとっては「ジミー・ペイジ」を前面に出すことが都合がいいということに気がついたんです。

 そう、「オールド」を語るのならジミー・ペイジじゃなきゃダメなんです。ちゃんと理由があるんです。

 例えば60年代後半から70年代の他のギタリストを考えてみましょう。例えばクラプトン。クリーム時代の彼はPAFと思われるふるーいピックアップが付いた335やSGとマーシャルでいいトーンでギターを弾いていました。ピッキング、フィンガリング、ビブラート共に正確なテクニックで、当時のオールドトーンを語るのであればペイジよりもクラプトンについて語る方がずっと信用できます。

 またジェフ・ベック。70年代前半頃までは彼もレスポールをよく使っていて、当時のマーシャルを使って素晴らしいトーンでギターを弾いていました。昔のジェフ・ベックのギターテクニックとセンスは神の領域にあるといってもよく、オールドトーンを語るのであればジェフを語るべきだと思います。

 でもオールドトーンを商売に結びつけたい人達はクラプトンもジェフも完全に無視します(笑)。なぜか?クラプトンは有名だけれどもいい音でギターを弾いている時にレスポールを使っていないから。ジェフの場合は有名じゃないのと上手すぎるから(笑)。

 そう、もしクラプトンをオールドトーンと結びつけて商品を売ろうとすると335やSGを売らないといけなくなるのです。あるいはファイアーバードとか。はっきりいってロック好きから見るとマイナーなこれらのギターを前面に出したって商売にならないんですよね。本当は当時一番いい音でギターを弾いていたんですけどね・・。オールドレスポールを高く売りたい人達から見ると、クラプトンはレスポールを使っているイメージがないからダメなんです。

 もし昔のクラプトンを前面に出して語ろうとすると、SGの良さや335の良さ、そしてファイアーバードの良さを語る必要があるんです。でもそんなもの語っても全然商売にならないんですよね、正直(笑)。だって誰がSG買いますの、ましてやファイアーバードなんて・・。

 ジェフも一緒。本当ならジェフとレスポール、オールドマーシャルをセットにすれば、聞く耳を持っている人であれば「なるほどな」と思うところなんですが、ジェフ自体がマイナーなのでその組合せを前面に打ち出しても、反応が悪くて商売にならないのです。

 結局残ったのはジミー。たとえ「世界一パチもんギタリスト」「史上最も下手な有名ギタリスト」と言われようと、「レッド・ツェッペリンのジミー」と言うだけで誰でも知っています。しかもオールドレスポールとオールドマーシャルの組合せが最もイメージづけられるのはジミー・ペイジをおいて他にはいません。

 だからオールドレスポール、オールドマーシャル、そしてオールドPAFを商売にしたい人達は「ジミー・ペイジ」という名前をを前面に出したり、ジミーペイジフリークを自認して熱く語らなきゃいけなくなっちゃうんです。

 商売人たちがジミーを熱く語れば語るほど、それほど詳しくない人は「へー、そんなに凄いのか」と簡単に催眠術にかかって「ジミーサウンドの神話」を二次的にバラ撒いていきますからね。オールドレスポール、オールドマーシャル、そしてオールドPAFの3つに的を絞って、これらをジミーと結びつけて熱く語るのが商売上最も効率的なんですよね。

 なるほど・・、そう考えれば世の中でオールドサウンドの良さを語る人達がなぜジミー・ペイジ・フリークばかりなのかという私の長年の謎が解けた気がするな・・(笑)。結局音や音楽じゃないんですよね、ただ単にカネと商売の話なんですよね。

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