遅まきながら昨日初めてハムキャンセル型のシングルピックアップを手にしてからいろいろと考えていました。実はこの手のハムキャンセル型のシングルピックアップってかなり前から存在していて、ただ音が純粋なシングルとは若干違う、ということで私自身が積極的にトライしなかっただけなのです。

 実際私も二十数年ほど前にビル・ローレンスのL-250を試していましたし(私にはあまりにパワーがなくて結局使えなかった)、その他にもいろんなスタイルのシングル型ハムバッカーは世に存在していました。ただヴィンテージノイズレスのようにルックスがシングルそのまんま、というタイプのピックアップは少し遅れて販売されたのではないかと記憶しています。

 そのようにヴィンテージノイズレスのような積層型ハムバッカーは少し遅れてできあがったわけですが、しかし理屈から言えばなぜこれほどまでに積層型ハムバッカーが世に出るのが遅かったのか不思議なくらい。だってコイルを横に並べるか、縦に並べるかだけの違いですからね。

 で、最初にハムバッカーを作ったといわれるギブソンですが、元々はできるだけシングルピックアップと同じ音が出るようなハムバッカーを作ろうとしていたといわれています。なぜならそれまでのエレキギターにはシングルピックアップしかなかったので、その音をあまり変えたくなかったからでしょう。

 私が不思議に思うのは、シングルピックアップの音を目指していたのになぜ縦ではなく横にコイルを並べたのか、ということ。もちろん積層型にするとどうしてもピックアップの高さが高くなるのでそこがネックだったのかも知れません。サイズ的な制限でコイルを横に並べたということは十分考えられます。

 ただサウンドに関する影響を考えますと、コイルを横に並べるより縦に並べた方がずっとシングルのサウンドに近いのは間違いありません。だって弦の音を拾うポイントが1つですからね。ギブソンがコイルを縦に並べないで横に並べてピックアップを作ったのは、意図的だったのか、それともスタック型のようなシングルサウンドを再現させるハムバッカーを作るアイデアが思いつかなかっただけなのか、今にして思えばとても謎です。

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