高いピックアップ

2011/06/12 Sun 02:34

 世の中には高いピックアップがありますよね。一個4−5万円するものから果ては10万円くらいするものまで。もちろんビンテージものとかじゃなく新品でです。

 正直言って疑問を持っているんですが、これらの高いピックアップって本当によい音がするんでしょうか?それとも値段ほど大したことはない?

 私の答えは後者ですね(笑)。もちろん使ったことないので根拠はありません。でもピックアップ1つで数万円の対価を取ろうというその根性がまずイヤ(笑)。ピックアップの実際のコストなんてどう考えてもアンダー5千円。大量に材料を仕入れればこんなもん2千円もあれば絶対に作れるはずです。

 今どきマグネットだってワイヤーだってボビン、ベースプレートだって、さらにはコイル巻き機だって素人でも簡単に購入することができます。だからこそ最近はいろんな小規模ピックアップメーカーがネット宣伝しながら商売しているんだと思いますね。つまりピックアップ製造販売なんて、初期投資が少なくて済む金のかからない楽な商売だって事です。

 それを一個数万円で売ろうだなんて、どこまでふざけた野郎だ、って話です。もし仮に本当に夢のような音がする(そもそも夢のような音ってなんだ?って話もありますが)ピックアップを作ることができたとしても、良心的な事業者なら、まあせいぜい2万円程度が売値の上限でしょう。それをうんちくタラタラ書き倒して、いかにそのピックアップが凄いのかということを必死で文章にして付加価値をつけようとしているところが怪しすぎ。

 で、必ずこういうメーカーが売りにしているのは「PAFやビンテージピックアップの再現」。なぜか?それはビンテージの音を普通の人は誰も知らないから。だから「私はビンテージギターやピックアップをたくさん研究してきました。その私が研究を重ねてようやく満足のいくビンテージピックアップの完全再現に成功しました!」なんて書けば、結局誰にもその善し悪しが分からない謎のピックアップを作って売ることができるんですよね(笑)。

 そもそもビンテージピックアップの代表であるPAFですら、実際にはどんな音がするのか誰にもわかっていません。実際の所有者だってわかるのは自分のギターについているPAFのサウンドだけであって、それが他と比べて良いのか悪いのかということは正直わかってないと思います。はっきり言ってマグネットとワイヤーの巻数だけを同じにして適当に手巻きで作った品質の悪いピックアップを「PAFの再現」と堂々と販売している輩だっているはずですからね。

 もしその商品を買った人から「なんか作りも品質も悪い気がするけど?」とクレームを受ければ、「それがPAFなんです。一見作りが悪そうに見えるのがPAFの完全再現なんですよ。」とごまかせばいいだけの話ですからね。まあ詐欺のような商売をいくらでも行うことが可能です。

 それよりも大メーカーが販売しているように、狙ったトーンを確実に鳴らすことができるピックアップを歩留まりよく生産する方が本当はずっと技術が必要になるんです。だからどう考えても技術は大メーカーの方が上であるはずです。もちろんプロやユーザーの細かい要望があればその要望を満たすピックアップをカスタムで作る技術やノウハウもたくさん持っているはずです。

 それにそもそも高価なピックアップを売り出しているメーカーも、そこまで自信があるのなら音をホームページにアップするべきですよね?でもきっとこんな高価なピックアップを売ろうと思っている人達に言わせれば、「いや、そんなホームページにアップした音源で善し悪しが分かるような程度の低いピックアップは作っていない。実際にアンプで鳴らさないとその良さは分からない。」というところなんでしょうが、裏返して言えば音源サンプルで差がわからないようなピックアップって、所詮その程度のもんだって事じゃないですか。実際にアンプで鳴らしたって差なんてわかりませんて。

 まあ本当にひどい商売する連中がいるもんだと思いますね。「コイルの巻き方1つで音が変わるから一つ一つ手巻きにこだわってます」と値段が高い理由を書き連ねていますが、それがよく分かんない。なぜ機械巻きだとダメなの?手巻きだといいの?そのきちんとした根拠が知りたいなぁ。本当は同じものを安定して作ることができないだけなんじゃないの?本当はいい加減に作ってるだけでしょ?

 いずれにしてもこんなピックアップの値段が高いのは、ただ単に生産性が悪いから。自分達が上手に効率良く作れないだけなのに、さも良いものを作っているから手間暇かかって値段が高くなるんです、とすり替えているだけ。要するに技術がないだけなんです。

 だってダンカンのピックアップってそんなに悪いですか?ギブソンのピックアップやフェンダーやディマジオのピックアップも。悪くないでしょ、絶対。これらのメーカーのピックアップって一個数千円ですよ。ダンカンのカスタムメイドのピックアップでもせいぜい1万数千円くらい。それが妥当な値段でしょう、どう考えても。

 確かにプロが実際に使っている製品はメーカーが特別に作っているものである可能性は高いです。どんな世界でもプロが実際に使っている製品というのはたとえシグネチャーモデルであっても市販されているものとは全く違うものであることがほとんどです。

 そのせいで「大量生産品にはない音質の良さ」と言えばそれらしく聞こえてしまうわけですが、エレキギターの部品程度でそんな「少量生産の良さ」なんてありませんて。ましてやその程度のことで音に差なんて出ませんて(笑)。もし出ると感じる人がいれば、それは単なる個体差、或いはセッティングの違い。そんな一個10万円のピックアップを買ったからといって人生が変わるほどの感動は得られませんって、絶対。

 まあどういう人がこんな高価なピックアップを買っているのかとても興味ありますが、またそういう人がうんちくを垂れ流してくれるのがメーカーにすれば良い宣伝になるんでしょうね。まあ世の中には本当に値段が高ければ良い、と信じて疑わないブランド信者がたくさんいますので、そういう人達がこういうメーカーにとってはよい稼ぎ相手なんでしょうね。

 まあどんなピックアップをつけようと好き好きですし、確かに高いピックアップを買っても屁でもない人は羨ましい話ですが、でも少しはものごと疑ってみることも大事じゃないでしょうかね?でないと「ピックアップ直付けは音が良い」とか「ボディ鳴りがイイとアンプの出音もいい」なんて話をすぐ信じちゃうんですよ。

 少なくとも私には時価何万円かするT−バッカーよりも一個数千円のダンカンのカスタムカスタムの方がずっといい音でしたからね。単に珍しいピックアップを「よい音がする」と思い込むのはちょっと違うんじゃないかな、と思いますねぇ。

 珍しいものは「珍しい」と言うことが価値。音の善し悪しとは直接関係ありません。もし音の良さを追求するのなら「珍しさ」に惑わされてはいけないと思いますねぇ。

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