ピックアップの短足ベースプレートが届いたおかげでようやくピックアップ比較テスト企画を続けることができるようになりました。そこで今回はセイモアダンカン社製、SH-5、カスタム SH-11 カスタム・カスタムを取り上げたいと思います。

 まず断っておかなければなりませんが、私が所有しているカスタムカスタム・カスタムは二十数年前に購入したものですので、スペックやサウンドは現在のモデルと違うかも知れません。それはあらかじめご承知の上で今回のレビューをお読みください。

 さてまずピックアップのベースプレートを短足タイプに交換することから作業が始まります。またテスト前においてはこのカスタムの磁石を自分でアルニコ5に交換していましたので、これをオリジナルのセラミックアルニコ2マグネットに戻す作業も必要です。

 元々のピックアップの状態はこんな感じ。

SH-5

 昔のモデルなので足の長いベースプレートがついています。裏に貼ってあるステッカーも今のものと違いますね。

SH-5

 20年以上も使っているとボビンも収縮などでやや変形してきています。

SH-5

 これをまずボビンとベースプレートをバラします。

SH-5

 そしてベースプレートとマグネットを交換して元に戻したら、こんな感じです。

SH-5

 ギターに取り付けた写真はこちら。

SH-5

 さていよいよサウンドのチェックに入りますが、いつものユーチューブにアップした動画をご参照ください。



 セイモアダンカンのサイトなどを見ていますと「PAFをステロイド増強した」サウンドとよく書かれていますが、なるほど、その意味がよくわかりますね(でも確かにSH-11 カスタム・カスタムもPAFサウンドのパワーアップ版)。サウンド的には長年使っていたT-バッカーととてもよく似たサウンドです。

 もちろんパワーは格段にカスタム・カスタムの方がありますが、同じようなパワーを持っているSH?4、JBと比較してサウンドを聴きますとかなりキャラクターが違うことがわかります。JBが中音域に特徴のある、太くて丸いサウンドが特徴であるとするなら、カスタムは高音、中音、低音、全域を均等にパワフルにさせた感じのサウンドです。

 パワーが高くなったからといってハイが落ちるわけでもキンキンするわけでもありません。ミッドやローが鬱陶しいほどなるわけでもありません。まさにT-バッカーなどのギブソンPAF系のサウンドをそのままブーストさせたようなサウンドです。

 音質的にはあまりクセのないサウンドで、とてもバランスのよい綺麗な音がするように思います。きっとクリアサウンドを鳴らしても高音の綺麗なサウンドがすると思います。

 なるほど、こうやって改めてシンクロ付きの普通のストラトにカスタムカスタムを載せても、その良さはよく分かるもんですねぇ。JBも確かによい音がしてとても魅力的ですが、カスタムカスタムもやはり素晴らしいと思いますね。このクセの無さ、それでいてパワーがあって全域が綺麗に鳴るというのはとても魅力的です。

 サウンドを聴いていただいても割とピッキングのアタック音を拾っています。少しだけ弦に近づけてセッティングしたので少しだけ音が潰れているようにも感じますが、もう少し下げてセッティングすればもっとニュアンス豊かな綺麗なサウンドになると思います。

 カスタムはマイケルシェンカーが好きなピックアップのようで、そのせいかマイケルファンがよくフライングVに載せて使っている話をネットで見かけます。確かにマイケルが好きになるのも頷けるサウンドですね。コントロールしやすくてとても素直な音です。しかも綺麗。(← 確かにそうだけど、実際はカスタム・カスタムなので、どちらかというとエディ・ヴァン・ヘイレンのモデルといった方が良いかも)

 オールドPAF系にありがちのややくすんだような暗さがサウンドにありません。この乾いたような明るさがこのピックアップの最大の特徴なんでしょうね。妙に通りのよさそうなサウンドで、きっとバンドアンサンブルの中でも他の音にかき消されにくいサウンドでしょうね。

 このカスタムにはセラミックマグネットがついているわけですが、なかなかどうしていい音を出してくれるじゃないですか。ビンテージ至上主義の感もあるピックアップ市場においては、ともすればマグネットはアルニコが絶対、しかもよりパワーの弱い4とか2とかを有り難がる傾向があるように思います。(← 実際はアルニコ2でした(笑)。でもいい音には違いありません)

 しかしこのカスタムについているセラミックも悪くないですよ。というよりとても魅力的です。これはこれで素敵なサウンドが鳴るので一概にマグネットもアルニコでなければならないということはないのではないかと感じます。(← 単純にいい音です(笑))

 さてということで、今回カスタム・カスタムをレポートしましたので、そのついでに次回は自家製カスタム5のレポートを行いたいと思います。

追記:
 その後このカスタム・カスタムをつけていろいろなフレーズを弾いてみました。JBと比べるとコードを鳴らしたときの音のバランスがとてもいい気がしますね。JBだとミッドに音が集まりすぎてグシャーという感じですが、カスタムだとジャキーッという感じです。

 タッピングハーモニクスについてはJBのほうが綺麗に鳴ります。これはやはりJBの方がミッドが厚いせいによるのではないかと思います。それとカスタム・カスタムで特筆すべきはドロップDにしたときの6弦が凄くはっきりスッキリ、そして太く鳴ることですね。

 これもカスタム・カスタムが全音域でバランスがよくクリアに鳴るからだと思います。Unchainedのイントロなどを弾くと、Dチューニングしている6弦の音がカッコいいこと、カッコいいこと。ダンカンのメーカー説明にもあるように確かにドロップチューニングにも適したピックアップだと思います。(← カスタム・カスタムは特にドロップチューニング向けとは書いていませんが、でも確かにドロップでもイイ音しています)

 音のイメージとしてはヴァンヘイレンの4枚目のアルバム「戒厳令」のギターサウンドによく似ています。あのアルバムだけ他のギターサウンドと違ってクリアでエッジの効いたサウンドですが、あんなイメージです。またそういえばFUCKのギターサウンドにもよく似ています。とにかくクリアでバランスがいい音です。(← そりゃそうです。だって昔のエディモデルだから・・)

 パワーがあるのに全音域で綺麗に鳴り、しかも音が潰れない。よく言われる「分離のよい音」で、なかなかいいピックアップです。意外と多くのギタリストが「カスタムが一番イイ」とネットなどで発言していますが、確かにそれも頷けるサウンドをしていますね。(← カスタム・カスタムも相当いいですよ)

 JBもカスタム・カスタムもどちらもそれぞれに魅力的なところがあるのですが、JBとはキャラの違うピックアップなので好みが分かれるのかも知れませんね。JBには音に独特の色気や粘りがありそれが強烈な個性になっていますが、カスタム・カスタムには誰でも分かるシンプルな切れの良さやトーンの良さがあります。どちらを選ぶかは好み、プレイスタイルによるかも知れません。

 でももし特にこだわりがない方にピックアップを勧めるとしたらカスタム・カスタムでしょうね。使える用途が広そうだし、何しろ音が下品にならずに誰にでも使いやすいですからね。JBはセッティングによっては若干下品になるので上手くセッティングするのがポイントですね。


再追記、衝撃的事実!
 今回テストしたピックアップですが、私はこの20年以上ずっと「セイモアダンカン、SH-5、カスタム」というモデルだと100%信じていました。

 ところが今回のピックアップ比較テストを行う際に改めてピックアップを見て、裏に貼ってあるラベルを何気なく写真に撮ってそれでもスルーしていたんですが、まさに今日初めて気がつきました・・・。このブログの上の方の写真を見てもらえればいいのですが、ベースプレートの裏に貼られているステッカーには「CCJ」と書いてあります。

 実はダンカン・カスタム、SH-5のステッカーは「DC」で始まるのだそう。「CC」で始まるステッカーが張ってあるピックアップは「カスタム・カスタム」つまりSH-11なのだとか!おい、この20数年間全然気がついてなかったぞ!(笑)ということは無意識でカスタムカスタムを使っていたのか、私は!

 ということはマグネットもアルニコ2?全然セラミックと違うじゃない(笑)。全然知らなかったよ。そうだったのか・・・。じゃあまさに昔のエディモデルそのものだ。どおりで昔から「どうもエディの音に似てるなぁ」と思いながら使っていたわけだ(笑)。

 と、いうことで上記のレビュー内容は全訂正。SH-5カスタムではなくSH-11カスタム・カスタムです。ごめんなさい。

 どおりでね、実はJBから載せ替えてギターを鳴らしているときに、「JBと比べていまいちパワーないなぁ」と思っていたんですよね。「セラミックなら磁力が落ちるわけもないし、もっとパワフルなはずでは・・」とは感じながらも「でもそんなもんかな」と思いながら弾いていました。

 そりゃパワーないです、だってアルニコ2だもの(笑)。でもね、だったらなおさらこのカスタム・カスタム、お勧めですよ。特にアルニコ信者の方々にも(笑)。サウンドは上に書いてあるとおりで、各弦の分離の良いとても綺麗でいい音がします。

 本物のカスタムと比べていないので何とも言えないのですが、たぶんカスタムはもっとジャキジャキでパワフルなんだろうなと推察します。昔のエディサウンドを再現したければ、高価な78やEVHを買わなくても、このカスタム・カスタムを使えばいい線いきますよ。特にデイヴ時代後期の戒厳令から1984あたりのサウンドを狙っている人にとってはグッドなはずです。

 ・・・ということでSH-11ということでこのブログは読み替えて下さい。よろしくお願いします(笑)。

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